残暑に食べる冷やし中華の話


暦の上では秋でも、まだまだ暑さの残るこの季節。日中は真夏のような日差しが照りつけ、少し動いただけで汗がじんわり。そんな残暑の日に食べたくなるものといえば、やっぱり冷やし中華です。

先日、スーパーで見つけた冷やし中華セットを使って、お昼にさっぱりランチを作りました。茹でた麺を冷水でしっかり冷やし、キュッと締まった麺を器に盛りつけます。錦糸卵、ハム、きゅうり、トマトを彩りよく並べ、最後にごま入りの酸味のきいたタレをたっぷり。準備しているだけで涼しげな気持ちになります。

ひと口食べると、つるりとした麺とさっぱりした酸味が広がり、ほてった体がすーっとクールダウン。ハムや卵の優しい甘みが、タレの酸味とちょうどいいバランスで、食欲が落ちがちなこの時期でも箸がどんどん進みます。仕上げに白ごまやレモンを加えると、さらに香りが立って爽やかさが増します。

冷やし中華は夏の風物詩と思われがちですが、残暑こそ本領発揮かもしれません。暑さで疲れた体を元気にしてくれるだけでなく、「もうすぐ秋だな」と季節の移ろいを感じさせてくれます。

食べ終わった後の心地よい満足感と、少し和らいだ暑さの中で飲む冷たい麦茶が、また格別。残暑の日の冷やし中華は、夏の終わりを楽しむ小さなご褒美のような存在です。