今日は久しぶりに自転車に乗りたくなり、特に行き先を決めずに家を出ました。朝の空は少し白っぽく、残暑を感じさせるやわらかな日差し。ハンドルを握り、ペダルを踏み出した瞬間、胸の奥がふっと軽くなるのを感じます。
川沿いの道を選んで、気の向くままに走ってみました。涼しい風が顔に当たり、汗がにじんでも心地よい。途中、小さな公園のベンチでひと休み。蝉の声と子どもたちの笑い声が混じる夏の名残りの音が、心をゆったりと落ち着かせてくれます。
再びペダルをこぐと、道の脇に季節の花が咲いているのが目に入りました。普段は急ぎ足で通り過ぎる道なのに、今日は一つ一つの景色が新鮮に見えます。車では気づけない風景や小さな店、香ばしいパンの匂いが、サイクリングならではの楽しみです。
特に目的がないからこそ、途中で方向を変えたり、気まぐれに止まったりできる自由。地図を見ずに走る時間は、日常の決まりごとから解放されるひとときのよう。気づけば1時間以上も走っていましたが、不思議と疲れより心の充実感が勝っていました。
帰宅後に飲んだ冷たい麦茶は格別。予定のないサイクリングが、こんなに心を満たしてくれるとは思いませんでした。次の休日も、また目的地を決めない気ままな自転車時間を楽しみたくなります。